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雨の日の忘れもの


カーテンの僅かな隙間から差し込む光はとてもよわよわしいもので、雨だれの微かな音が世

界をつつみこむような朝でした。


不思議なことに、たたきつけるような雨の夜より、こんな薄暗い朝の方が、わたしはふさぎこん

でしまうのです。


そんな気持ちになったのは、ほかでもない雨音と薄明かりのためなのですが、いざ、そうした

気分になれてしまうと、まるで自分のこころが外に溶け出し、雨に変わっているような気がして

くるのです。


しかし、そんな薄暗い空模様も、やがては過ぎ去っていきました。陽光のもとで散歩をしてい

ると、クローバーの塊が目に入ります。葉の上には、小さな水玉が無数にあって、まばゆい光を

放射するものもあったのです。
by aphorismes | 2008-04-07 19:54
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