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土塀の道


よく晴れた日。思いがけず、散歩にいくことになりました。


その途中、あぜ道を通りました。そばには小さな川が流れています。のどかな風景ばかり見て

いると、うっかり川に落ちてしまいそうな、そんな狭い道でした。


あぜ道を曲がると、古い家が数軒立ち並ぶ界隈がありました。深い焦茶色の木の壁が見事な

家屋。印象的だったのは、どっしりとした、黄土色の土塀。その一部は僅かに土が崩れ、やや

壁が薄くなっています。その崩れ具合が、独特の雰囲気を醸し出しているのです。


土の微かな崩落は最近のことではありません。数十年も前から、この土塀は、そんな姿で、ず

っと立ちつくしてきたのです。そもそも、この土塀が建てられたのはいつ頃なのだろうか、そんな

疑問を抱きながら、私は、出来る限りゆっくりその道を歩きました。
by aphorismes | 2008-01-04 19:10
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