人気ブログランキング | 話題のタグを見る

樹木と避雷針


するするする……。

見ると、子どもたちが木に登っている最中でした。しかし、通常、私たちが「木登り」という言葉か

らイメージするような木ではありません。子どもたちが嬉々として登っているのは、細い幹の木

なのでした。


危なっかしいと思う私。私が登れば、きっとその木は折れてしまうに違いありません。もっとも、

かなり遠くから眺めていたため、幹が細く見えたという事情もあるのでしょう。また、子どもたち

の体が軽いため、細い幹でも折れることはなかったようです。


それらの木は、幹が細いだけではなく、背の低い木でありました。もし、落ちるようなことがあっ

ても、さほど危険ではない高さです。あんなに低い木に登って何が面白いのかという疑問は残

るわけですが、当の子どもたちにとって高さはどうでもよく、不安定な揺れが面白いのかもしれ

ません。


それから数時間がたった後、私はある建物の外に出ました。ふと空を見上げると、建物の屋上

にある避雷針の先端に鳥がいます。細長く、しかも堅牢な金属製。鳥にとっては、見晴らしがよ

く、また安心して休憩できる止まり木の代わりなのかもしれません。しかし、避雷針は、鋭く尖っ

て見えます。その細くて鋭い避雷針の先端で鳥がくつろぐ光景は、どうも痛々しく見えました。
by aphorismes | 2007-12-27 22:35
<< 待ち時間 整理について >>