おつりはありませんよ。 あるインターネットカフェでいわれた一言です。念のため、レシートをもらおうかと思い、レジの前 で待っていたのですが、変に誤解されたようでした。その後、私は何も言わずに立ち去ったの で、そのまま忘れさられたことでしょう。 普段はインターネットカフェを頻繁に利用するわけではないのですが、一時はよく訪れたもので した。何かの雑誌に住所が掲載されているのを見つけました。行ってみると、よく通っていた広 場の裏通りにあったのでした。 もっとも、通っているうちに不都合さも感じるようになりました。皆が知っている広場の近くである ため、時折、混雑するのです。ちょうどそんな頃、新しいインターネットカフェが開店したことを何 かで知りました。 新しいパソコンとさっぱりしたインテリア。好感の持てる場所でした。しかし、一番、印象に残って いるのは、店長の男性と話を交わしたことでしょう。どこの馬の骨ともわからない私に対して親 切に対応してくれたのがきっかけだと思います。 もっとも、丁重な対応は、開店直後という事情と切り離すべきではないでしょう。親切に対応する ことによって一度きた客がリピーターになるかもしれず、その知人が新たな客になるかもしれな い。しかし、それが戦略的な対応だったとしても、男性のある側面が振る舞いに滲み出ていたよ うに感じられました。 その後、次第にその店も混雑するようになりました。わたし自身も、その街を離れることになり、 通うことは出来なくなりました。しかし、長い時間がたった後、一度だけそこを再訪したことがあり ます。 お店に入ると、入り口付近で一冊のノートを見つけました。それは、様々な人がそのお店につい て何かを書き残したノートでした。その男性と話す機会が訪れたのは、お店を出る直前、料金を 支払うときでした。反応から彼も私を覚えていたことがわかりました。開店直後の、まだ客の少 なかった時期からお店に出入りしていたからでしょう。私は、以前のように言葉を交わし、そのお 店を後にしたのです。
by aphorismes
| 2007-12-15 20:21
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本の中の気になる一節。下手の横好きで撮った写真。古いものに惹かれるのですが、ひょんなことから、このページをたち上げました。
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