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鳥の羽・天使の悪戯


あ、あの人だ。


カフェのすぐ傍を通りかかったときでした。大きなガラスの向こうで、話をしている人の顔が視界

に入りました。深夜番組でおなじみの方でした。旅先の一時的な滞在での出来事。その不思議

さを感じながらも、邪魔にならないよう、私は歩調を緩めず歩き続けました。


その後、横断歩道の前で立ち止まりました。どこかで声がしたからでしょう、赤信号の前で待つ

間、私は後ろを振り返りました。すると、見覚えのある人が街の人に話しかけている最中でし

た。先ほどと同じ番組の人でした。


偶然の意味が変わりました。私はたまたま撮影現場を通りかかったのでした。そうだったのかと

思いながら、私は再び前を向きました。すると今度は、横断歩道の上に鳥の羽が落ちてくるの

でした。


インクをつければ文字を書けそうな立派な羽。その大きくて細長い羽は縦向きに舞い降りてきま

す。くるくると回転しながら、それは音もなくゆっくりと着地していくのでした。
by aphorismes | 2007-11-21 22:02
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