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太陽と眩暈


旅の帰り路。

もう夕暮れ時になっていました。

私は船に乗り込みます。

陽光は窓を通して射し込み、船内を明るく照らしていました。


いつものように窓から風景を眺めることにします。

ふと左の窓を見ると太陽の鈍い光が見えました。

反射でした。

その反対側を見ると、太陽を直接見ることができました。

沈みつつある太陽は輝くような光を放っています。

海がその陽光を反射しています。

太陽の光とあわせて全体としての眩しさが増しています。

太陽と海の饗宴。


あまりの明るさに、私は思わず目を逸らしました。

私は視線を左の窓の方に戻します。

そこには、反射した陽光が映っていました。

しかし、こちらの方はさほど眩しくはなく、ほどよい明るさなのでした。


太陽を第一の光とすると、それを反射する海の光は第二のもの。

左の窓に反射した、海の光の陽光は第三のものといえるかもしれません。

この日の太陽はあまりにも眩しすぎて、正視することはできませんでした。

むしろ、私は仄暗い第三の光しか眺めることはできなかったのです。



付記 10月25日

一部、修正しました(下から三行目)。
by aphorismes | 2007-10-24 21:44
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