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間奏曲――秋の家



孤独には慣れっこになっていたはずでした。けれど、久しぶりに実家で過ごした翌日の朝、一人

で部屋を眺めていると漠然とした不安を感じました。一人暮らしには慣れていたはずだったの

に、と驚きます。


家族とは、普段、あまり意識しない空気のようなものかもしれません。毎日、一緒に暮らしてい

れば、もちろん、言い争いも生じます。そうした個々の場面は別として、家族それ自体について

考える機会は、その渦中にあっては、あまりないように思われるのです。


そんな時期も過ぎ、やがて各自が別の道を歩む時期が訪れます。離れ離れになった各人をつ

なぐのは、電話やメール、時には手紙。距離が生まれた後に初めて、あたりまえのように思わ

れたあの時期が、賑やかな家族の盛夏であったと思われてくるのです。


夏も過ぎ、季節は秋となりました。この時期に、夏と同じ賑やかさを期待することは難しいのか

もしれません。しかし、秋には秋の充実を模索する、そんな気持ちをもっても良いではないかと

いう気もするのです。


付記

お休み中ではあるのですが、昨日、思わず書いてしまった文章を投稿させていただきました。
by aphorismes | 2007-10-17 23:32
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