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階段、廊下、エレベーター

先日、階段を利用していた時のこと、階段とは何なのだろうと考えこんでしまいました。


階段を上がったり降りたりするのは、目指す場所にいくためです。高層ビルなら、エレベーター

を利用するでしょう。エレベーターが仕事場になる人は例外として、多くの人にとって、両者は、

目的地にいくために通り過ぎる所のように思われます。


建物の中にそうした場所をもっと探してみます。階段だけではなく、廊下もまた、通り過ぎること

が多いのではないでしょうか。両者は対照的であるように思われます。


廊下はおなじ高さの場所の間を行き来するために用いられます。一方、階段は、違う高さの場

所の移動に関わります。廊下が水平的な移動に関わるとすれば、階段は上下の移動に関連す

るようです。異なる場所を結合する通路として、水平的なものと垂直的なものがあるのでしょう

か?


だたし、廊下が水平的な移動にかかわるといっても、違いがあるようです。通常の廊下は、同じ

建築物の中にある部屋を行き来するための通路です。これに対して、渡り廊下が結合するの

は、異なる建築物です(渡り廊下が傾斜している場合はあるのでしょうか)。


また、階段が上下の移動に関わるといっても、実際には、階段で、人は斜めの運動をすること

になります(そしてエスカレーターは人を斜めの方向に運搬します)。垂直的というのであれば、

一般に普及しているエレベーターがふさわしいのかもしれません。


建物の中に、エレベーターと階段が併設されている場合、階段の使われ方が変わるように思わ

れます。労力が必要になる階段は、補助的なものとされることが多いような気がします。建物の

規模によっては、階段を使うのは無理ということもあるでしょう。そうではない場合、運動のため

にあえて階段を利用する人もいるでしょうが、降りる時、近くの階に移動する時、エレベーターが

使えない時、緊急時などの使用に限定される傾向があるのかもしれません。階段は、エネルギ

ーの節約につながるのでしょうが、スロープやエレベーターなどとは違い、利用する人を選ぶも

ののようにも思われます。


付記

ここで扱ったものには、時代や国、また種類によって様々なヴァリエーションがあるはずで、い

ろいろと例外があると思います(たとえば、満席の劇場では階段が座席として利用されることも

あるでしょう)。今回の文章では一般的なもの(といっても偏っているかもしれませんが)を想定し

ております。
by aphorismes | 2007-08-20 23:53
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