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連想の連鎖--ある諺から

「ピューレを持つ者にはスプーンがない。スプーンを持つ者にはピューレがない。」
                                                  (クレオールの諺)


野菜などを裏ごしする時、大きなスプーンを用いることもあるのでしょうか。しかし、そのような状

況を考えると、「スプーンを持つ者にはピューレがない」とか、「ピューレを持つ者にはスプーンが

ない」という言葉が理解しにくくなるように思われます。この諺が、実際にどう用いられるのかは

知らないのですが、私の場合、ピューレやスープなどが欲しくてもスプーンを持っていない、ス

プーンを持っていてもピューレがないという状況を想像してみました。 この場合、ピューレは

望ましいもので、スプーンはそれを享受するための手段ではないかと思われます。そこから、

望ましいものがあっても享受する手段がない、享受する手段があっても望ましいものを持って

いないという、ジレンマ的な状況を想像してみました。しかし、両者が一致する場合、つまり、

手段が望ましいものでもあるような場合も、可能性としては、考えられるのではないでしょう

か。なお、この諺では、前の文と後の文で、言葉の順序が入れかわっており、独特の効果が生

まれています。格言にもよく見られる手法です。「ピューレ」や「スプーン」を別の言葉にすると、

ニュアンスの違う諺を作れるのではないでしょうか。
by aphorismes | 2007-08-08 01:00 | [諺]Proverbes/dictons
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