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エマニュエルという名の男 Un homme qui s’appelle Emmanuel (Retour sur soi-même)

"J’étais un peu étourdi parce qu’il a fallu que je monte chez Emmanuel

pour lui emprunter une cravate noire et un brassard.

Il a perdu son oncle, il y a quelques mois. "

Camus, L’étranger, folio,1957, p.10.

           ***

J’ai bien travaillé toute la semaine,

Raymond est venu et m’a dit qu’il avait envoyé la lettre.

Je suis allé au cinéma deux fois avec Emmanuel

qui ne comprend pas toujours ce qui se passe sur l’écran.

Il faut alors lui donner des explications.

Camus, L’étranger, folio,1957, p.57.


僕は一週間ずっとよく働いた。レーモンがやってきて、

手紙を送ったといった。

僕は、二度、エマニュエルと映画館にいった。

彼はスクリーン上の出来事をいつも理解するわけではないので、

説明をしなければならない。



付記 :

『異邦人』というと、以前、飛行機で隣にすわったフランス人の少年(おそらく10代前半)

が、熱心に、この本を読んでいたことを思い出します。

上記の文章は一度、アップしたものですが、その時は、学生時代に読んだ本のなかで

カミュの文体が言及されていたことを想起したのがきっかけです。その後、どうやら

誤解をまねいたことが判明し削除したのですが、悪意のなさを示すため再び掲載した次第。


そのついでに、人の名前の性別について書いてみました。 


あまり縁起が良くないので訳しませんが(!)、小説の冒頭をみると、エマニュエルは男性。

Emmanuel/Emmanuelle の使いわけを知っている人にとっては、

あたりまえのことかもしれませんが(視力によっては気がつかないこともあるでしょう)。 

そういえば、新年を祝うパーティーで、パスカルという名の女性が来ていたこと

を思い出しました。「パスカル」の場合も、Pascal/ Pascaleと使い分けるようです。

(いずれにせよ、文脈から切り離されると、名前の音だけでは分からない違いであり、

書かれた文字によってこそ判別できるように思われます)。


なお、朝倉季雄著(木下光一校閲)『新フランス文法事典』に、

固有名の性についての記述がありますので、一部を抜粋します。

・男性専用:Alain,Christophe など。
・女性専用:Brigitte, Isabelle など。
・男女名の語源が同じ:Charles,Charlotte/ Jean, Jeanne/ Louis,Louise
・まれに男女共通:Camille,Théodore


ところで命名の実態において男性専用、女性専用という規則の例外はないのでしょうか。
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by aphorismes | 2006-07-25 00:55

陽光

片手で日差しを覆い隠すことはできない。(ラテンアメリカ[スペイン語圏]の諺)
On ne peut pas cacher le soleil avec une main.(proverbe d'Amérique latine hispanophone)a0049033_18455782.jpg
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by aphorismes | 2006-07-23 18:54 | [諺]Proverbes/dictons

河の流れ

同じ流れのなかに二度おりることはできない。(ヘラクレイトス)

On ne peut pas descendre deux fois dans le même fleuve. Héraclite
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by aphorismes | 2006-07-22 19:23 | [箴言] Aphorismes

変化

変われば変わるほど、同じことになる。
Plus ça change, plus c’est la même chose. Alphonse KARR (1808-1890)
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by aphorismes | 2006-07-21 18:06 | [箴言] Aphorismes

猫と料理人

グルメの猫は料理人を思慮深くする。
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Chat gourmand rend la cuisinière avisée.
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by aphorismes | 2006-07-19 18:38 | [諺]Proverbes/dictons

80秒間世界一周/奇異なる旅行

噴火する火山、燃える森林、

ビルの屋上に書かれた文字、

砂漠で馬に乗る人、砂漠の丸い畑、

ニュージーランドの迷宮、

チェルノブイリの原子炉等々。

Google Earth, balades insolites

付記
やたらと忙しい日が続いているのですが、休憩をかねて投稿しました。
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by aphorismes | 2006-07-17 18:09 | [資料集] 社会société

『自己内対話』覚え書き

引用や格言、またその組み合わせは、多様な解釈を生み出す

楽しさがありますが、時に、断片同士の干渉が、予想外の解釈

や反応をうむこともあり、それが引用する上での難しさになっています。



今回は、自己内対話からの引用の経緯について補足説明します。

半年位前のことだったか、アーレントの全体主義論等に触発されて、

自己の内部における対話に関心をもつようになりました。


タイトルにひかれ、試しに取り寄せたのが、丸山の『自己内対話』。

暫く積んでおいた本を、偶然、手にとって、昼食をとりながら、目を通しました。


「自己内対話は、自分のきらいなものを自分の精神のなかに位置づけ、あたかも

それが好きであるかのような自分を想定し、その立場に立って自然的自我と対話

することである」。

この自己内対話にかんする断片は、このような考え方もあったのか、

という感じでしたが、やはり60年代における学生とのやりとりが

克明に綴られている箇所がひときわ印象的でした。


「『機動隊には職権濫用があるが、ゲバに、職権濫用ということがあるか。』

と反問すると、いがぐりは、『ゲバにも職権濫用はあります』というので、聴講者

はどっと笑うという具合である。」136頁


このように、時にユーモアを交えて綴られた記述から、精神的な余裕が読みとれる

訳ですが、時代を隔てた他人からは容易に想像できない、当人にとっての苦悩などが

わずかに滲み出ている箇所もあります。これらの個人的なエピソードを通して浮き彫りに

される時代の細部、また現代との落差などに想いを馳せました。

そして時には、部分的な共通点なども。

「自己否定が叫ばれる時代に、祖国と民族と伝統への回帰を説く論調がめだって来た。」



付記(2007年5月20日)
自己内対話に関する引用文を短くした上、こちらに移動しました(もとの投稿は削除)。
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by aphorismes | 2006-07-09 18:00