<   2006年 01月 ( 7 )   > この月の画像一覧

偶然性について 2

偶然は世界でもっとも偉大な小説家である。多作であるためには、それに学ぶだけでよい。(バルザック)
a0049033_19122777.jpg
Le hasard est le plus grand romancier du monde; pour être fécond, il n’y a qu’à l’étudier. (Balzac)
[PR]
by aphorismes | 2006-01-31 19:07 | [箴言] Aphorismes

サッカーにおけるグローバル化

グルノーブルにいる友だちからメールと写真が送られてきました。最初は気がつかなかったの

ですが、元ガンバ大阪の大黒選手の写真であることが判明。そういえば、ニュースを聞いたこ

とがありました。
参考:http://gf38.jp/

付記(2007年5月26日)
写真を削除しました。
[PR]
by aphorismes | 2006-01-31 18:27

監視システムの自己増殖と不信の連鎖

今回は本の紹介です。

昨年に出版された本の中で牧野二郎氏は、社員監視ツール流行の危うさを指摘しています。

極端な事例ですが、一種のスパイウェアを社員のパソコンに入れておけば、ネットワークに出

ない情報(パソコンの動作、どのキーがどの順番で押されたか[キーストローク])が管理者に

定期的に送られることも考えられる。より極端ではないケースにおいては、IDとパスワードに

よってネットワークに入り、パソコンをつかって仕事をする社員に関して、パソコンの利用状況、

情報やメールの送受信情報により、誰がどのようなアクセスをしているかを、ソフトウェアで監

視できる。弁護士である牧野氏によれば、「無断監視」はプライバシー侵害であり、「企業など

が無断で社員を監視するというのは、法的面から見ても違法性が高い」と述べています(ちな

みに、同書には、不合理な誓約書の強要についての言及もあります)。

著者によれば、監視システムの導入は、やがて監視システムそれ自体の監視を要請するよう

になり、その結果、監視システムが自己増殖する(つまりコストが増大する)可能性がある。さら

に、監視それ自体がうみだす不信感がはてしなく広がることにより、社員のモチベーションが

下がる。これらの可能性は、効率性の向上をめざしてなされる監視ツール導入の意図せぬ結

果と考えられるのかもしれません。

参考資料: 
牧野二郎『個人情報保護はこう変わる 逆発想の情報セキュリティ』岩波書店、2005年
[PR]
by aphorismes | 2006-01-22 15:26 | [資料集] 社会société

レトリックについて

フランスでは、何ごとも詞華(文飾)で終わる。
a0049033_14573655.jpg
En France tout finit par des fleurs de rhétorique (Louis Aragon)
[PR]
by aphorismes | 2006-01-21 15:04 | [諺]Proverbes/dictons

偶然性について 1

「何事かを偶然にゆだねなければならない。」
a0049033_13572995.jpg
Il faut laisser quelque chose au hasard.

*この諺が示すのは、人間はその意志のみによって全てを支配・決定することはできないし、そもそも、それは望ましいことではないという観念。
[PR]
by aphorismes | 2006-01-08 14:04 | [諺]Proverbes/dictons

炎上する車、白熱する論争

0. 忘却されたもの
フランス郊外での反乱に関する前々回の投稿に引き続き、二つの記事を簡単に紹介します。現在入手可能な資料によると、昨年の大晦日から新年にかけてフランスでは425台の車が放火されたそうです。これらの状況について、内務省が資料を作成したのですが、それが早くも社会党から批判されたようです。昨年、内務相ニコラ・サルコジが騒乱に油を注いでしまったたため、内務省としては事態の鎮静化をアピールしたい。他方、社会党のスポークスマン(Julien Dray)としては事態が鎮静化していないことを示して責任を追求したいという構図なのかもしれません。フランスにおいて大晦日から新年にかけて車が放火されるという事態は今回に限ったことではないのですが、二つの記事にざっと目を通して印象に残ったのは政治家の対立と治安の問題です。反乱の構造的原因の分析や抜本的な解決策が中心的な主題とされていないのはちょっと残念な気がします。

参考文献
Polémique autour du bilan des incidents de la Saint-Sylvestre, LEMONDE.FR ,01.01.06(16h46):
http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3226,36-726235,0.html

付記(2007年5月26日)
記事の翻訳の部分を削除しました。
[PR]
by aphorismes | 2006-01-02 12:17 | [資料集] 社会société

ことわざについて

今回は、1月に関する民間のことわざ[俚諺(りげん)]を二つ紹介させていただきます。

Jour de l’an beau,
Mois d’août très chaud.
元旦が晴れると8月はとても暑い。

Sécheresse de janvier,
Richesse de fermier.
一月の乾燥は農夫の富。

*一つの文に大文字が二つありますが、ロベールことわざ辞典と同じ表記です。F. Montreynaud, et al., Dictionnaire de Proverbes et dictons, Robert, 1989.
a0049033_2223149.jpg

-------------------------------[ことわざ雑感]-------------------------

このブログでは、ことわざを取り上げておりますが、気がついた点をいくつか述べさせていただきます。

1.ほぼ同じ内容が別のことわざで繰り返されることがある。
「一月の乾燥は農夫の富(Sécheresse de janvier,Richesse de fermier.)」
「乾燥した1月、幸せな農夫 (Sec janvier, Heureux fermier)」

2.よく用いられる言葉に象徴的な意味が見出せることがある。
・例えば、樹木 arbre は、力と堅牢さの象徴など。

3.口承の文化とことわざの密接な関係。
(文字の存在しない)「声の文化では、きまり文句や型にはまったことばや記憶しやすいことばに頼らずになにかを考えぬくということは、たとえできたとしても、時間の無駄づかいに終わるだろう。というのも、...かりに最後まで考え抜かれたとしても、それを効果的に再現するすべがまったくないからである。」(W.J.オング著、桜井直文他訳『声の文化と文字の文化』藤原書店、81頁)

4.ことわざは集団の記憶と考えられる。
・記憶を共有する単位としては様々なレベルが考えられると思います。たとえば、ロベールのことわざ辞典は様々なカテゴリーによって整理されています[フランス、ドイツ、バスクやアルザス、そしてクレオールのことわざやユダヤ人やアラブ人のことわざなど]。地域共同体や宗教共同体、民族、国民国家、あるいは国民国家を超える言語共同体など、様々な単位が考えられるのかもしれません。もっとも、国民国家形成以後、個々のことわざを統合するカテゴリーそれ自体がどのように変化していったのかという点も気になりますが...。

5.ことわざとメディア
・私がしばしば参照しているロベールのことわざ辞典には、世界のことわざが掲載されていますが、15世紀頃の諺なども散見されます[膨大な参考文献がのっています]。このように、ことわざとして保存された集団の知恵や記憶が、文字、活字、ないし電子テクストの媒介をへて、それを生み出した集団の時間と空間的制約(地域、国)を超えてゆくのです(ただし、より厳密に考えるならば、より多様な仕方で解釈される可能性も生じるはずです。だとすれば同一の意味内容が拡大していくことにはなりません)。

付記(2007年3月28日)
若干,字句を修正しました.
[PR]
by aphorismes | 2006-01-01 00:01 | [諺]Proverbes/dictons