カテゴリ:[資料集] 社会société( 27 )

男性性を複数形で考える

「もし、ふたつの性の生きている状況が、階級や人種、民族、年齢に応じて、きわめて異なる

のであれば、男たちがまったく同じ世界観や同じ社会的位置を共有するということをも疑うこと

ができる。」(Germain Dulac)

Si les situations que vivent l’un et l’autre sexe varient énormément selon la

classe, la race, l’ethnie, l’âge, on peut aussi douter que les hommes partagent

tous la même vision du monde , la même position sociale. (Germain Dulac)


[付記]
バランスをとるための補足です。ヘゲモニックな男性性へのこだわりについて

こまかく区分けした例があります。それは、男性のヘゲモニーへの傾向を「優越

志向、所有志向、権力志向から分析する」(伊藤公雄)というものです。男性性の

多様性という主張は、固定化した男性像があるからこそ、意義をもちうるのでしょ

うし、また、それがなければ、単なる現実肯定とかわらなくなるかもしれません。

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by aphorismes | 2006-10-22 21:23 | [資料集] 社会société

教育改革の帰結とは?

総合雑誌の投稿欄で、25年間、教員をつとめた方の文章を見つけました。

2006年から職場が教員評価制度の研究協力校になったそうで、評価制度によって校長の力

が強まる一方、教員の発言権がなくなることを懸念する内容の文章でした(『世界』2006年

10月号「読者談話室」を参照のこと)*。

自由の束縛を名目とした「改革」は、反対されやすいですが、教育の質の向上、「子供のため」

という正論を掲げた「改革」は賛同者を得やすく、一部の反対があっても、つぶされにくいで

しょう。参院選で自民党が勝利するまではソフト路線とあいまい戦術が続くのでしょうが、土台

が固まったら、何が起るのでしょう。学校は、「美しい国」に対する「愛国心」を根付かせる機関

となるのか、そしてその先には何が待っているのでしょうか?

付記(2007年5月26日)
引用部分を簡潔な文章(*の部分)に書き直しました。
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by aphorismes | 2006-10-01 19:00 | [資料集] 社会société

戦争中、「美しい国」はいかなる意味で用いられたか。

「美しい國」という言葉は、戦争末期、国民学校の生徒にとって身近な言葉だったようです。

「この美しい國は、美しい、りつぱな心をもつて、東亜を、そして、世界を、美しくするために、

たたかつているのです。」(戦時児童文学小説『島の旗かぜ』巻頭)。

島にすむ四人の少年たちは報国隊をつくり、戦争のために鉄くず回収等をして努力する——

その小説の愛読者であった和田少年は、「美しい國、日本」をますます立派にし、東亜を、世

界を美しくするために働けという作者のメッセージを、「まっすぐに受け入れ」たといいます。

その頃、中国と東南アジアで日本は醜い戦争をしており、やがて「美しい國」は焦土と化すわけ

ですが、少年が事態を理解することは難しかったようです。


もちろん、首相の先の演説で用いられた「美しい国」の意味は、戦時中にこの言葉に付与され

た意味とは異なるでしょう。将来、結果として意味が重なってしまうような事態にならないこと

をここでは祈りたいと思います。

最後に、和田氏の指摘ーー過去において「隣人に与えた損害と苦痛をきっぱりと詫びるいさぎ

よさを示す」ことが「美しさ」を取り戻す道であり、だからこそ、自国民が受けた人権侵害につい

ても主張できるーーが印象深かったことを記しておきます。

参考文献
和田春樹「安倍晋三の歴史認識を問う」『世界』10月号
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by aphorismes | 2006-10-01 18:58 | [資料集] 社会société

デジタル複製技術時代の政治家:権威性のゆくえ

ものの本をみると、かつてローズベルト大統領はラジオを上手く活用したなど、新興メディア

を武器にした政治家の話が記されています。


また、テレビ討論によって政治家に求められる質が変わってしまった——大勢の顧問の意見

を聞き、熟慮の上で慎重に政策を決定するのではなく、クイズのように質問に瞬時に答える能

力が重視されるようになる。


こうした議論があるだけに、現代では大統領のメディア戦略が進んでいるのではないかと想像

していました。しかし、数ヶ月前から、○○○○などの動画共有サイトで流通しているブッ

シュ関係の映像はこうした予想を裏切るものです。


たとえば、映像を編集してブッシュにU2のSunday Bloody Sundayを歌わせている○○

○○や、ブッシュとブレアがデュエットしてラブソングを歌っている○○○○

さらに、Google videoにも○○○○などがあります。


これらの映像は、確かに、テレビほど影響力がないという点では、最重要ではないのでしょう。

また、削除されている映像もありますから(グアンタナモ基地における拷問に関する映像な

ど)、現在、視聴可能な映像は、実害がないとみなされて放置されているものなのでしょうか。

いずれにしても、現代におけるデジタル複製技術の展開と、映像表現に向かう人々の願望の

絡み合いが、本来の文脈から政治家の映像を切り離し、新たな文脈に再配置しつつ権威性

の希薄な作品群を生み出しているように思われます(ブッシュの場合、アウラを喪失したという

よりむしろ、当初からアウラなどなかったといった方がいいのかもしれませんが)。権威性がう

すめられて疑似的な親密さへに転化する可能性も考えられますが、これらの映像の場合、

ユーモラスに距離を維持するように思われます。


かつて、王様風牛肉料理、王様風菓子、王様風ハムなどといった「王様風」という表現の多用

によって王のイメージの権威がゆるがされたというフランスの歴史家がいます。現代における

政治家のコラージュ映像の氾濫は何をもたらすのでしょうか。また、今後、より厳しく規制され

るのか、あるいはサクラ的な映像が投稿されるのでしょうか。さらなる発展をとげていくのか。

興味があるところです。

付記(10月17日)
○○○○は削除されていました。残念!

しかし、削除されたということは映像がもつ批判性の証明になるのでしょうか。


付記(2007年3月25日)
フランスのグーグル・ヴィデオにて○○○○を発見.風刺動画の国際的な移動の一事例

になっているように思われます.


付記(2007年3月27日)
2007年3月25日頃,リンクをはずしています.


付記(2007年3月31日)
「風刺動画の光と影」で詳しい理由を説明しておりますが,動画共有サイトおよび風刺動画の

作品名を○○○○という記号に置き換える作業を行いました.

「風刺動画の光と影」へ。(2007年4月1日追加)
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by aphorismes | 2006-09-22 18:26 | [資料集] 社会société

サッチャー時代のイギリス: 利潤原理と教育

「……利潤原理はもともと製造工業のためのものであり、

教育界はむしろ利潤原理に従って行動してはならない世界である......」

森嶋通夫『サッチャー時代のイギリス』岩波新書、1988年


付記
最近は、S.Hall関連の文献を読む毎日なのですが、その関係でも

サッチャー時代が気になり、上記の本を古書店から取り寄せました。

やはり時代的な制約はあるわけですが、

サッチャー時代のイギリスについてはいうまでもなく、

また小泉以後の日本について考える際にも、欠かせない文献の一つだと思います。

図書館にはあるでしょうが、この本が、現在、品切れとなっているのは残念です。

詳しい解説等(たとえば、山口二郎氏による)をつけて再刊する計画はないのでしょうか。

付記(2007年)
引用部分を短くしました(5月23日).
引用部分をさらに短くしました(5月26日).  
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by aphorismes | 2006-09-15 17:43 | [資料集] 社会société

回顧:改革の時代

なる程改革は、夫が改革であって保守でない限り、

即ち悪いところを改めることである限り、良い事に相違ない。

/だが問題は、どういう線に沿ったどういう方向へむかっての、改革であるかである。

……世間はどんな改悪でも之を「改正」と呼ぶ妙な弁証法的な習慣を持っている。

戸坂潤「改革熱の流行」(1936・5)



付記:戸坂の文章が発表された後の出来事

1937年7月7日 盧溝橋で日中両軍衝突(日中戦争)

1938年4月1日 国家総動員法公布(5月5日施行)
「第四条 政府ハ......帝国臣民ヲ徴用シテ総動員業務ニ従事セシムルコトヲ得......」

1941年3月1日 国民学校令公布(4月1日施行)

「第一条 国民学校ハ皇国ノ道ニ則リテ初等普通教育ヲ施シ......」
「第四条 2 国民科ハ之ヲ分チテ修身、国語、国史及地理ノ科目トス」

1941年8月23日 学徒勤労令(即日施行)
「第三条 学徒勤労ニ当リテハ勤労即教育タラシムル......」

11月22日 国民勤労報国協力令(12月1日施行) 

男子14〜40歳、未婚女子14〜25歳の勤労奉仕義務化
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by aphorismes | 2006-08-30 18:04 | [資料集] 社会société

レバノン

たまたま見つけたサイトにショッキングな写真が。

私などには、事実を確認する手段もなく、

当初は、紹介するのをためらいました。

しかし、

大方の関心がテロ関連のものに移行しつつあるので、あえて引用。

現時点で、こうしたブログが存在しており、さまざまなコメントがよせられている

ことの紹介とお考え下さい。

am_pm's ramblings --- I AM LEBANON!

付記
理由は定かではありませんが、ブログが消えていました(8月16日)。
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by aphorismes | 2006-08-11 22:56 | [資料集] 社会société

80秒間世界一周/奇異なる旅行

噴火する火山、燃える森林、

ビルの屋上に書かれた文字、

砂漠で馬に乗る人、砂漠の丸い畑、

ニュージーランドの迷宮、

チェルノブイリの原子炉等々。

Google Earth, balades insolites

付記
やたらと忙しい日が続いているのですが、休憩をかねて投稿しました。
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by aphorismes | 2006-07-17 18:09 | [資料集] 社会société

新しい社会的批判 La nouvelle critique sociale

パリ郊外の反乱や反CPEの運動以後のフランスで、新たな批判のあり方や社会モデルを模

索する試みが胎動している。

2006年5月12〜14日にかけてグルノーブルでフォーラム「新しい社会的批判」 が開催され

ます。約200人近くの研究者や特定領域の当事者、芸術家などを集めて3日間におよび約

30の円卓会議が行なわれる予定。一地方でのフォ−ラムとはいえ、ドンズロやトッドといった有

名どころも招かれており、また、フランスキュルチュールが特集を組むなど全国的に注目され

ている様子。残念ながら、私自身は参加できないのですが、底流の動向として興味深く思わ

れましたので、フォーラムの案内文の紹介をさせていただきます(参加される方、コメントをお

願いします)。
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[グルノーブル近郊 ヴィジルの城。]

*La République des Idée
**以下のサイトから関連するラジオ番組を聞く事ができます。
Les nouveaux visages de la France

付記(2007年5月26日)
翻訳の文章を削除しました。文字のレイアウトも変更。
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by aphorismes | 2006-05-11 10:01 | [資料集] 社会société

Marc Bloch

「月曜日の歴史」というラジオ番組でMarc Blochに関する書物をめぐる対談がなされていました。

参考
Les lundis de l'histoire
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by aphorismes | 2006-04-20 21:44 | [資料集] 社会société