ある週末の日記


午前中、あの木の近くを通りました。予想通り、沢山の白い花が咲いていました。周囲には、微かに花の香り

が漂っています。私は、蜜蜂が来ていることに気がつきました。地面には、多くの花弁が散らばっていました。


そこにいたのは何秒ぐらいだったでしょうか。とりあえず、私はその場から立ち去り、そしていつも通りの日常

が始まりました。しかし、あの時に見た風景が、なぜか気になったのです。


夕方になって、再び、あの木の近くを通りました。すでに蜜蜂はいなくなっていました。私は、下を見ました。

そこには白い花弁が散らばっていました。しかし、その時の私には、無数の亡骸が散らばっているように

見えました。地面の上に広がった小さな花弁たち。それらの中には、既に変色しているものもありました。

私は歩き出し、すこし離れた場所で振り返りました。あたりは暗くなりかけていたのですが、不思議なことに、

散乱した花弁たちの上方が、ぼんやりと明るく見えました。


夜。数時間たってから、私はまた、この木の近くを通りました。すると、その木は再び光のなかに立っていまし

た。電灯の光に照らされていたのです。その光の中でみる散乱した花弁たち。それらは、所々、茶色になって

いました。そこに神秘はありません。いつか、土になるのでしょう。



付記

投稿後、一部、修正しています。
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by aphorismes | 2009-05-08 23:04
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