リズム


たとえば仮に同じ内容の事柄を文章化しようとしてみたとしても、漢字にするか、ひらがなにするか、それと

も外来語にするかといった言語表現の選択、さらには選ばれた言葉を結合する仕方などで文章の印象が変

わるかもしれません。場合によっては、読み取られる内容も異なるのではないかと思われるわけですが、これ

に関することとして、リズムという問題が気になってくるのでした。ある言葉それ自体に宿るリズム、また、それ

が他の言葉と結合された時に現れるリズム、また、読点や句点の打ち方によって生まれるリズムという問題。

そもそも「文章」のリズムを考えるのであれば、単に一つの文における問題のみならず、特定の長さの文が

積みかさねられた結果として生み出される総体としてのリズムを考える必要があるでしょうし、そこには繰り

返しといった要素も重要になるのかもしれません。このような文章のリズムといったものは、当然、その文章

が朗読される場合と書かれた文字が黙読される場合とでは異なるのだと思います。音読した時に心地よいリ

ズムと黙読した時に心地よいリズム。後者は、文字の連なりが生み出す視覚的なリズムなのですが、それは

もはや口頭で発せられる音から独立しているのであり、音に結びついたリズムというよりも比喩的な意味にお

けるリズムであると思われます。
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by aphorismes | 2009-04-30 21:36
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