緩やかなる傾斜


昔のことですが、車での移動中、窓から、緩やかな斜面が見えたことがあります。山ほど木が生い茂っている

わけではないのですが、大部分は緑の草で覆われており、近くに小屋のようなものがある、そんな印象の場

所でした。周囲にほとんど建物のないその場所は、不便という他ないはずなのですが、なんとなく、こんなと

ころで住んでみたいと思ったのでした。つい先日も、坂道を上っている途中、緑色をした斜面が見えたので、

ぼんやりと、その近くで暮らしている自分の姿や不便な生活のことなどが勝手に想像されてきました。風景の

中には、そこに行ってみたいという、旅情を喚起させる風景のみならず、そこに住んでみたいと感じさせるよう

なものがあります。人によって、それらは一致するかもしれず、まったく違うものになるのかもしれません。い

ずれにせよ、私の場合は、緑の傾斜面に憧れを感じるのですが、何故そうなのか明確にはわかりません。自

然の近くで暮らしたいという人に、住んでみたい場所のイメージを聞いたとしても、人によって様々な違いが

あるような気がします。映画や小説はそんな場所のイメージにどの程度、影響を与えるのでしょうか。あるい

は、住んでみたい場所のイメージというのはそれらとは違う何かによって形成されるのでしょうか。
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by aphorismes | 2009-03-20 23:19
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