いにしえの現代人


とても古い写真をみたことがあります。もちろん色は白黒でした。そのとても古い写真のなかで、硬い表情を

した人が写っていたことを覚えています。その時は、遠い昔の人々なのだ、と隔たりのようなものを感じまし

た。他方、写真には、生き生きした表情の人も写っていました。まだ写真それ自体が珍しく、撮影する機会も

頻繁にはなかった時代と思われるのですが、どうしてこんな自然な表情なのだろうと私は不思議でなりませ

んでした。その人の顔立ちが現代的であったせいか、あるいは生き生きとした表情のせいなのか、私はその

方が遠い昔の人であるという気がまったくしませんでした。むしろ、逆に、その人が今でも生きているようなリ

アリティを感じ、また、遠い昔の人であることが納得できないような、そんな気持ちになるのでした。
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by aphorismes | 2009-03-19 22:07
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