な い 。


表通りを歩いていると、目指していたはずのお店が見つかりません。たしかこの辺りにあったのだけど。


もう一度、その通りを歩きましたが、やはり見つかりませんでした。しばらく通わないうちに、お店はなくなった

ようでした。やって来る客はまばらでしたし、店舗の入り口は小さかったので、お店のことを思い出せる人は、

多くはないことでしょう。


今は閉店してしまった店のイメージ、それは常連客には共有されていたはずです。しかし、表通りを歩き慣れ

た地域の大部分の人々にとって、閉店という出来事は些細な出来事にすぎず、ほとんど意識されなかったか

もしれません。


その後、別の場所を歩いていると、小さな河が変わっていることに気がつきました。白いコンクリートで埋め立

てられ、小さな河は溝になっていたのでした。変化としては大きなものと思えますが、その道を通る人にしか

意識されないような変化です。


街路に生じる変化は、ある地域に共有された記憶の変化かもしれませんが、特定の思い出を共有する人

の規模には様々な段階があるような気がします。そしてその思い出の内実は多層的で複雑なものであるの

でしょう。
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by aphorismes | 2009-03-09 20:31
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