電話帳


チャイムの音がなりました。ドアを開けても誰もいません。外には、とても分厚い電話帳が置かれていまし

た。男はその電話帳を手に取って部屋に戻っていきました。コーヒーを飲みながら、男はページをめくってみ

ました。そこには膨大な電話番号が記されており、様々な仕方で分類がなされていました。男は「歴史」と書

かれたページに気がつきます。そこには著名な人物の電話番号がありました。電話をすると、肉声が電話で

聞けることになっていました。同じ人の電話でも、違う数字を押すことで別の話題を選べるようになっていま

す。ははぁ、新手の商売か、と男は考えます。しかしながら他方では、あの人もいる、この人もいる、と好奇心

をかき立てられたのも事実です。しばらく男はページをめくっていたのですが、「未来」と書かれたページを

見つけました。そのページには、医師の電話番号もならんでいます。将来に直面する病気をさけるため、生

活改善などのアドヴァイスがきけるのでした。「未来」のページには下位区分がありました。そこには10年ご

とに番号が記載されています。試しに男は、自分の電話番号を探してみました。10年後、20年後と探して

いったのですが、最後まで目を通すこともなく、男は途中でその電話帳を閉じました。
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by aphorismes | 2009-02-26 23:09
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