知っている街/知らない街


ひさしぶりにあの街に戻りました。昔、眺めた建物の前を通りかかると、長いあいだ忘れていたことが思い出

されることがありました。しかし、追憶に浸っている時間はありません。まだ用事はすんでおらず、滞在の終わ

りが近づいていたからです。そこで、いつもとは違う近道からあの店にいってみようと考えました。商店街を歩

いていくと賑やかな通りを見つけました。漬け物、お菓子、お惣菜などのお店がずらりと並んでいます。扱わ

れている物がそれぞれ魅力的なのですが、週末に訪れた人々の賑わいが、祭りのような活気を生み出して

いました。こんな場所があったのか、と今更ながら驚きます。懐かしい街を歩いていると、何かの建物を見て

思い出が喚起されることもあれば、新しい発見をすることもあります。それらは別の対象にかかわるのです

が、相互的な干渉が生じることもあるのかもしれません。この街はよく知っているという思い込み、さらには

過去を懐かしく思う深さ。それらが、知らないものを見つけた時の驚きの強さを生み出すこともあるのでしょ

うか。

付記

一部、加筆しました。
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by aphorismes | 2009-02-22 19:24
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