異世界への通路


扉をあけて中に入りました。お店の中にはすでにお客さんがいます。先客の人たちが品物を選ぶのを待ち、

レジに並ぶのを横目に見ながら私も品物を選びました。その時、小さな絵が見えたのです。淡い色の絵で、

外国の建物が描かれていました。私は、目の前に並んでいる品物のことなど忘れ、その絵に見入ってしまい

ました。それは単に雰囲気作りのために飾られた絵にすぎなかったのかもしれません。しかし、細やかな線

と塗り重ねられた淡い色が作りだす繊細な世界に私は引き付けられました。小さな絵を通して、お店は、遠

い場所に繋がっているようでした。絵には、手書きで何かが記されています。しかし、知らない場所のよう

でした。そのまま絵を眺めていることもできず、私は、後ろ髪を引かれる思いで扉を開けました。その後も

なお、あの淡い色彩の世界が気になるのです。
[PR]
by aphorismes | 2009-02-18 18:17
<< 雨とガラスと風景と どこにもない場所 >>