音楽と記憶


あと5分。停留所でバスを待つ間、私は音楽を聴くことにしました。周囲には仄暗い照明があ

るばかり、私は自然と音楽に集中することになりました。その音楽は、5年ほど前の冬によく聴

いたものでした。あの頃は、毎日のようにこの音楽を聴いたものです。そのせいか、一曲、二

曲と音楽を聴いているうち、自然に当時のことが思い出されてきたのでした。その音楽には歌

詞がついていますので、私は、メロディやリズムといったサウンドを意味づける言葉を何度も聴

いていることになります。ところが、さきのような場合、ときおり歌詞を意識することはあるもの

の、個人的な状況や体験が基盤となって、歌声の喚起する感情と呼応しながら、音楽を聴い

ているような気がするのです。ある種の音楽体験においては、音楽と聴き手の対話的関係が

重要となるのかもしれません。
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by aphorismes | 2009-02-04 23:15
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