イメージと音楽

あの音楽を聴いたのは、かなり昔のことになります。ヴォーカルは録音されていませんでした。

また、演奏のリズムがとても緩慢であるために、メロディが時間のなかに解体されてしまった

かのようでした。その緩慢さは聴き手に集中を強いるものであり、私は緊張しながら音に耳を

傾けていたような気がします。最近、動画共有サイトでその曲を見つけました。記憶していた

のとは違って、リズムはそれほど緩慢ではありませんでした。そしてタイトルとはまったく違う映

像がついていましたが、意外にも、それがぴったりと音楽にはまっていたのです。あるイメージ

が創作者によって音楽化された後、聴き手によって異質な映像と結合され、その曲の新しい

聴き方が生み出されたかのようでした。ところで私は、最近、ジャズのCDを買ったのですが、

ある曲を聴いていると、流れる小川の水面に陽光が反射している、そんな風景が自然に想像

されてきました。しかし、タイトルを確認すると全く違う言葉でした。視覚的イメージと音楽の

間を往復する時、人は、それぞれ違う道を通るのでしょうか。
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by aphorismes | 2009-01-13 17:55
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