日記の書き方


昔のことですが、日記とはどのように書くものかと思いながら、ある人が日記について記した文

章を読んだことがあります。なかでも、死を意識して書かれた日記が賞賛されていた点は印

象に残りました。仮に日記の技法のようなものであれば、模倣することも可能であったことで

しょう。しかし、死の意識という、精神の深い領域に関わることであれば、表面的な模倣など不

可能です。上手く日記を書く秘訣を求めてその文章を読んだ私は、むしろ技術論を超えたと

ころに日記の極意があるという主張に接することになったのです。その後、同じ著者の記した

日記を読んだのですが、印象に残ったのは、華やかな交友録。意外なことではありました。し

かし、ある日を境に日記が途切れてしまうのです。その時、ぷっつりという音がしたような気が

しました。後は静寂。深夜、独りで読書をしていた私は、日記に関する彼の持論を思い出して

いました。
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by aphorismes | 2008-12-18 22:10
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