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歌が、語る。


海外のテレビ番組でカラオケの場面を見たことがある。その時、日本との違いを感じたもの

だ。時代による相違や例外もあるのだろうが、個室でカラオケをするのが一般的な日本。とこ

ろが、その番組では、会場に集まった人々の前でカラオケをすることになっていた。大勢の前で

歌う場合、この歌をある人に捧げます、などと気持ちを伝える手段にすることもできそうだ。さ

て、いわゆる普通のカラオケについて考えてみると、時折、歌詞と歌っている人のイメージが

重なることがある。とはいえ、ラヴ・ソングを歌っているから恋をしているとか、愛情を伝えてい

ると考える人は多くはないだろう。カラオケの対象となる歌のうち、ラヴ・ソングは圧倒的に多

い。だとすれば、ラヴ・ソングを選んだからといってどんな意味があるだろう。しかし、こう考え

ても、歌っている曲が本人の何かを語るという見方は残るかもしれない。ただ、本当に好きな

曲は声が高くて歌えないため、自分の声にあった曲を選ぶ人も多いだろう。好きな曲や共感

する曲と、上手く歌える曲は違うのだ。また、それなりに好きな曲でも、その曲の何が好きかと

いうことは考えてみる価値がある。カラオケのテレビには、歌詞が映し出される。見る側には、

歌詞の印象が残されるが、歌っている本人は、リズムやメロディ、歌手への憧れからその歌を

選んだだけかもしれないのだ。リクエストはいうまでもなく、その場にいる人が好きな曲を選

ぶ場合、歌が当人の好みを語ることはあまりない。こんなことは、きっと皆が承知していること

だ。しかし、私たちは、その無理さ加減を承知しながら、時に、歌っている当人の考え方やメッ

セージを、歌詞から勝手に想像してしまうのだ。

付記

タイトルとレイアウト等、修正しました。
by aphorismes | 2008-11-14 21:30
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