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夜と朝のあいだ


かさりという音がして目が覚めました。青くて弱々しい光が窓からさし込んでいます。なぜか私

は買い物に出かけました。


屋外を歩いていると、早朝なのか深夜なのかはっきりしない、そんな明るさでした。夜のよう

な闇ではないのですが、太陽の姿はまだ見えません。こんな時間帯の散歩は初めてです。


人影が見えました。何故だろう、こんな時間に。疑問はすぐ解けました。犬の散歩でした。そ

れにしても、夏とは思えない涼しさ。いえ、肌寒いといった方がぴったりします。


街の一部を見渡せる場所にきました。ぼんやりと霞んだ背後の山。水墨画のようでした。その

下には、街灯の小さな光が瞬いています。街灯にとってはまだ夜が続いているのです。


お店には、お弁当は殆どありませんでした。早すぎたようです。賞味期限が昼頃に切れるお弁

当がいくつか残っていました。その割安のお弁当を買いました。


帰り道。そろそろ蝉の鳴き声が聞こえてきました。しかし、まだ夜に鳴く虫の声も聴こえます。

夜でもないし朝でもない、そんな時間帯でした。
by aphorismes | 2008-08-20 20:52
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