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「僥倖」


昨日は病院、今日も病院。もちろん重病ではないにせよ、気がつけば病院に行く機会が増えた

ような気がします。


病院の後、食事をとろうと思ったのですが、目当てのお店は準備中。諦めきれずに、しばらく喫

茶店で時間を潰すことにしたのです。


コーヒーを頼んだ後、本棚を見に行きました。「おお、これは」、そう口にしたわけではないもの

の、遠方で開催された展覧会の図録を見つけて、私はとても驚きました。


飲み物をこぼさないよう、細心の注意を払いつつ、私は図録のページを夢中でめくりました。行

けなかった展覧会の図録を見ることができたのは、僥倖だと思われました。


当初は時間を潰すために入ったお店でした。しかし、こうなっては、食事のことはどうでもよくな

り、図録を発見したことの方が記憶すべき出来事と感じられます。


そして数時間が経過しました。発見という事実が過ぎ去り、驚きが薄れてしまった今となって

は、美術館で作品をじっくり鑑賞したいという気持ちが強くなってくるのでした。
by aphorismes | 2008-01-26 23:17
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