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駅前の喫茶店


快速列車は通り過ぎてしまい、各駅停車の列車しか停まらない、そんな小さな駅がありました。

周囲には背の低い建物が並んでいます。通勤時には、きっと、多くの自転車が駅前の広場を行

き交うことでしょう。


その駅の近くには、めずらしい名前の喫茶店がありました。看板には、どこか豪快さを感じさせ

る言葉が記されています。どんな味のコーヒーだろう。そう思って、中に入ったことがあります。


店内はカウンター席が中心で、細長く奥行きのある構造でした。私の入った時は、比較的年配

の方で賑わっていたような気がします。


さて、コーヒーが供されました。その味は豪放というよりは、あっさりしたもの。コーヒー・カップ

も、紅茶用に使えそうな薄手のものが使われています。看板に興味を持って入った者には意外

だといえるでしょう。


しかし、あっさりとしたその味と華奢なカップの組み合わせは、まとまりを作り出していました。そ

の一杯を飲んでいるうちに、店主の考えるコーヒーの世界がなんとなく想像されてくるのでした。
by aphorismes | 2007-11-12 23:14
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