ゆるやかに曲がった小道。両脇に植えられた樹木。そして道の端におかれたベンチ。木が植え
られたばかりの頃、その小道に対して私が抱いた印象は、いかにも「造られた」というものでし た。そのため、わざわざそこを通ることはありませんでした。しかし、今年に入って気がついたこ とがあります。そこは、もはや「造られた」風景とはいえなくなっていたのでした。印象に残った のは、植樹した人の意図ではなく、むしろ生長した木々の姿でした。それからというもの、ベンチ にすわって休憩することも何回かありました。 一昨日のこと、用事を終えて帰宅する時、あえてその小道を通って見ました。夜はどんな雰囲 気か確かめたくなったのです。もっとも、その道には電灯がありません。日中、赤や緑といった 鮮やかな葉色や独特の形で存在感を主張していた樹木たちは、夜の間、一様に黒くひっそりと していました。個々の違いがわからない、そんな世界がありました。しかし、その暗さは逆に、別 の光の世界を強調してもいたのです。頭上を見上げると、数々の星が夜空に輝いています。時 間帯にもよりますが、その道は余計な光に妨げられないので、小さな星まで見えたのです。そ の小道から眺めると、明るさの強弱のある、夥しい星が夜空にばら撒かれたかのようでした。 個々の星が他の星との関係で位置づけられているようで、星座を詳しく知らない者にも様々な 図形を想像させるようでした。 もう少し星を観察してみよう、そんな気持ちになってベンチに座って見ました。しばらく夜空を眺 めていると、光の痕跡がすっと流れては消えていきました。星が描き出す図形に、一瞬の間、 光で線が描かれたようでした。時計で測ったわけではありませんが、15分ほど夜空を眺めてい た間、二回ほど流れ星を見たでしょうか。こんな短時間に複数の流れ星を目にするとは意外で した。その日、特別な事情があったのかはわかりませんが、13日には、必ず夜空を眺めたいと 思っています。それにしても、多数の星の相互的な関係が描き出す、複雑な図形は印象深いも のでした。そして、一閃の光芒もまた。 付記 投稿後,タイトルを修正しました。 なお,更新情報を通知しない設定にいたしました。
by aphorismes
| 2007-08-12 00:50
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本の中の気になる一節。下手の横好きで撮った写真。古いものに惹かれるのですが、ひょんなことから、このページをたち上げました。
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