風景と記憶 

新しい建物が建っている。

よく行っていた場所を久しぶりに訪れると、昔はなかった建物が見つかって、少し残念に思うこと

が時々あります。もちろん、新しい建物に慣れることもありますし、建物のおかげで生活が便利

になることも考えられます。そうした様々な可能性のうち、残念に思うのは何故なのだろう、と考

えました。多分、記憶の中の風景に愛着をもっていたからでしょう。あるいは、新しい建物を見た

時に、昔の風景が懐かしく感じられるのかもしれません。


先日、一冊の写真集を見る機会がありました*。

ページをめくっていると、一面の焼野原に瓦礫が散らばっています。そうした風景を撮った写真

が沢山ありました。それらのなかに、写真のそばに地名が記されていることがありました。たま

たまその場所を知っているような場合、昔はこんな状態だったのかと驚きました。そしてその

時、写真の力が増したような気がしました。50年以上前に撮られた写真の中の風景を、記憶の

中の風景に重ね合わせることができたからでしょうか。



付記

写真集には、一面の焼野原を写した写真だけではなく、正視できない写真なども含まれていま

した。もっとも、戦争を体験された方からは、その場にいなければ分からないといわれるような気

がします。


付記2007年8月26日

*下記のサイトで同じ写真家による写真が紹介されております。

http://www.exploratorium.edu/nagasaki/journey/journey1.html
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by aphorismes | 2007-08-08 23:38 | [資料集] 記憶 mémoires
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