「報道が頻繁に繰り返されるほど、群発自殺が拡大していく条件
が整ってくる。とくに青少年の場合には映像のもたらす衝撃は大きい」 *(高橋祥友『群発自殺 流行を防ぎ、模倣を止める』中公新書、1998年)。 朝のテレビ・ニュースを見ていて、突然、昔よんだ本を思い出しまし た。読みかえすと1995年にも中学生による自殺が多発していたとの こと。著者である高橋氏は、当時における報道の特徴をまとめていま した(詳しくは同書をご覧下さい)。 <1995年末における中学生の自殺報道の特徴等(172-175頁)> 1) いじめによる自殺という因果関係の極端な一般化 2) 過剰な報道 3) 「ありきたり」のコメントが多い 4) 短期間の集中的な報道 5) 自殺方法についての詳しすぎる報道 6) 具体的な対処法が示されない(電話相談,心の問題の治療法等) 7) 実名報道 付記: 高橋氏が分析したのはあくまでも1990年代半ばの出来事で、それか ら約10年が経過。最近の自殺報道は教育関係者に対して重要な問 題を提起しておりますし、そうした報道は、ジャーナリストの方々の正 義感から生まれているのだろうと思います。だとすれば、次のように 問うこともまた重要なのではないでしょうか。 過去の教訓は、現在の自殺報道にどの程度いかされているのか、 と。 注* 「群発自殺」の例として連鎖自殺、集団自殺、自殺の名所での自殺な どが考えられるようです.なお、自殺については、デュルケムの議論 が有名ですが、それだけで全てを説明できるわけではないでしょう。 付記(2007年5月23日) 文章を若干修正,引用部分を整理しました.
by aphorismes
| 2006-10-30 17:25
| [資料集] 社会société
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本の中の気になる一節。下手の横好きで撮った写真。古いものに惹かれるのですが、ひょんなことから、このページをたち上げました。
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