いわゆるムハンマドの風刺画問題について 1

日本でも報道されているように、風刺画は、世界各地でデモ(ヨーロッパやイスラム圏のみならず、香港における5000人のデモも含む)をひきおこし、大問題となっているようです。また、2月13日には、イランの日刊紙Hamshahriがインターネット上で、「西洋における表現の自由の限界はどこにあるのか」と題し、ホロコーストの風刺画を掲載するなど新たな問題も生まれているようです(国際コンクールに関する説明が英語でなされています http://www.hamshahri.org/images/InternationalCartoonE.jpg)。進行中のできごとを展望するのは至難の技、というか不可能だと思うのですが、それでも重要な問題であるには違いない。ということで、以下では経緯の「ごく一部」をたどってみたいと思います。

2005年9月、デンマークの日刊紙”Jyllands-Posten”は、予言者に関する12の風刺画を掲載しました。その一つは、ターバンが、導火線に火がついた爆弾のように描かれているものです。これらの風刺画は、増大するムスリム組織の抗議にも関わらず、2006年1月ノルウェーのMagazinetによって再び掲載されます。風刺画を掲載するメディアのいい分は、表現の自由を守る、というものです。

その後、フランスのメディアにも、これらの風刺画が掲載されます。リベラシオン、ルモンド、クーリエ・アンテルナショナルは、一、二の例を掲載したのですが、フランス・ソワール とシャルリー・エブドが全ての風刺画を掲載した模様。また、オンライン版エクスプレスもまた、これらの風刺画を紹介しました。

2月11日、フランスのメディアでマホメットの風刺画が掲載されたことを否定するためのデモが、パリとストラスブールで行なわれました(パリでは7200人、ストラスブールでは2000人が参加)。断固とした発言とは対照的に、デモで掲げられたスローガンは穏健なものであったとルモンド紙は伝えています。「赤い線を越える時、あなた方はムスリム世界を目覚めさせるであろう」。その時、原理主義者であれ、イスラム主義者であれ、テロリストであれ、イスラム教徒たちを連帯させることになるのだ、と。テロを批判する風刺画が結果として何をもたらすのかを警告したのでしょうか。

また、『アサヒ・コム』によると、「在仏イスラム教評議会(CFCM)は10日、預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載した仏紙を提訴することを決めた」。風刺画特集をしたシャルリー・エブドは今後どうなるのでしょうか。

“Un site Internet iranien publie une caricature de l'Holocauste en réponse à celles de Mahomet”, 13 February 2006, LEMONDE.FR, available from http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3214,36-740693,0.html, accessed 13 February 2006.

“En France, "Charlie Hebdo" veut "défendre la liberté d'expression"”, 11.February, 2006, LE MONDE, available from http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3458,36-740359@51-735567,0.html, accessed 11 February 2006.

「在仏イスラム団体が風刺画掲載紙を提訴へ」『アサヒ・コム』2006年2006年02月11日、インターネットホームページhttp://www.asahi.com/international/update/0211/007.html。アクセス2006年02月11日。
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by aphorismes | 2006-02-18 16:42 | [資料集] 社会société
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